人材育成コラム

より良い人材を育成し組織を活性化することはすべての企業・組織の永遠のテーマです。本コラムでは人材育成のプロ講師がお役に立つ情報や最新のトレンド等を皆さまに紹介してまいります。「もっとこんなことを知りたい!」といった要望や感想がありましたらご連絡をお待ちしております。

パート・アルバイト不足時代に求められること

新入社員パート・アルバイト(以下P/A)を多く抱えている企業・店舗の皆さんにとって、この春を迎えるにあたり憂鬱な日々を送っているのではないでしょうか。先日訪問した店舗では、「この春、P/Aの総入れ替えです」と、店長が頭を抱えていました。厚労省によりますと、昨年12月の有効求人倍率は1.63倍と、求人数が求職者数を大きく上回っています。私たち飲食・サービス業界はこの数値の2倍ともいわれています。まさに、3社が1人のP/Aを奪い合っている状況が続いています。
厳しい採用難の中で、こんなことが起きているようです。「先日、面接の応募がありました。『3日後の13時に来店してください』と伝えて待っていると、当日来ませんでした。最近、こんなことが多いのです」と、ある店長が嘆いていました。それもそのはずです、応募者は3件以上の候補を見つけ、早い順に面接を受けて、3日の間に合格通知を受け取っているかも知れません。

ある求人紹介会社の調査によると、求職者が応募をしてから面接の日まで2日を過ぎると、一気にキャンセル率が上がるそうです。2名に1名は来ないとも言われています。いわゆる「面接日の消費期限」とでも表せるでしょうか。とにかく、「他にもたくさん応募しているはず」という認識のもと、少しでも早く、且つ快く面接の日取りを決めたいものです。

新入社員皆さんは、「面接で合格を受けた人が、初日の出勤日に出社しなかった」という経験はありますか?実は、合格者は面接の印象や雰囲気で、この先本当に気持ちよく働ける環境なのかを見極めています。少なくとも数社と面接しているわけですから、そこから一番働きやすい環境を求めて最終決断をしているのでしょう。そう考えると、面接の仕方も工夫しなければなりません。業界では面接を、「優秀な人材を見極める」時代から「仕事内容をプレゼンする」時代に突入していると言われています。これも調査結果ですが、面接が終わった応募者へ面接の感想について聞き取りすると、2名に1名が不満と答えているそうです。その内容は、「面接官が高圧的で怖かった」「仕事内容がよくわからなかった」「働く意欲が湧いてこなかった」という生々しい感想が挙がっています。更には、多くの応募者が合格通知を受け取ってから出勤初日の間に、お忍びで店舗を見に来ていることも分かっています。店は繁盛しているか、店内は綺麗で衛生的か、働いているスタッフは挨拶や笑顔など明るい雰囲気があるか等をじっくり見定めて働くことを決めているとも言えるでしょう。

新入社員こんな時代に突入していることを考えると、今後の店づくりをどうしていくかの見直しが必要だと分かってきます。そもそも、明るい店づくりができていて、スタッフが笑顔で気持ちよく働いているのか、まず見直さなければなりません。私たちは「何を目指して仕事をしているのか」を明確にし、「新人に期待することとは何なのか」をしっかりと伝えることができているでしょうか。また、面接の在り方を見直し、「この店で働きたい」と選ばれるためにはどうしていけばいいのか、面接官の姿勢やプレゼンの仕方を改めるときが既に来ています。面接時の質問内容も、ありきたりの「志望動機は?」と一方的な聞き取りではなく、店側の思いと応募者の気持ちのマッチングがとても大切になります。まさに、面接の改革と店舗環境の見直しが必要であることは明確です。

(株)TEIでは、新しい時代にマッチしたP/Aの戦力化に取り組んでいます。働きやすい環境づくりから、採用・面接の手法まで、共に情報交換しながら新しい価値を創造していきませんか。

講師紹介
伊東 久(いとう ひさし)
おもてなし経営デザイン研究所 代表
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