新入社員の傾向の変化
この時期になると、「今年の新入社員の傾向は、去年とどう違うのか?」というテーマがよく話題になります。
毎年ごとに、新入社員の傾向が大きく変わるのかは疑問ですが、過去との傾向の変化を人材育成に活かせるなら活かしたいものです。そこで今回は、人材育成の観点から新入社員の傾向の変化を考えたいと思います。
先日、お客様から次のような話を伺いました。入社して6カ月以降、現場に配属された新人の多くが、成果が出ない自分に打ちのめされるそうです。
「先輩が出来ているのに自分はできない」「こんなはずじゃなかった」
「できない自分が受け入れられない」といった具合です。
結果、「この会社は、自分に向いていないのではないか」という思考になり、退職を考える方が多くなるとのことでした。
これまでの学生生活や家庭でも、殆ど挫折を経験していない新人にとっては、『出来ない自分』が受け入れられず、『周囲からどのように見られているのか?』が気になり、どんどん自己否定の『負』のループに入ってしまうようです。
最近の新入社員の傾向の変化として、下記が挙げられています。
・失敗を恐れ、自主的に仕事に取り組めない
・言われたことはやるが、自ら動かない
・相手視点が弱く、相手の背景を読み取れない
・正しい唯一の答えを求める
・全ての仕事にマニュアルや上司の許可を求める等々
重要な傾向の違いは、「失敗を恐れる思考」ではないでしょうか。 学生時代においても、社会人になってからも、常に、失敗をすることを恐れ、 人からどう見られているかが気になり、他人の評価にビクビクしてしまって いる新人が多いのです。常に、試験を受けているような感覚に近いかもしれません。
今、企業で求められているのは、失敗を恐れずに挑戦し、限界なく成長していく人材です。
どうすれば、このように失敗を恐れず挑戦する社員を育てる事ができるでしょうか?
上司や先輩に求められるのは、失敗を厳しくとがめることではなく、失敗に対して、しっかりと問いかけ、失敗に向き合わせることではないでしょうか。
「なぜ、失敗をしたのか?これからどうしたらいいのか?」と考えさせ、小さな成功体験も組み合わせて、経験値を上げさせていくことが重要です。
労務管理や、コンプライアンスなどが厳しくなり、ますます、職場における『失敗』への許容度が下がっていると感じます。そのような時だからこそ、しっかりと失敗に向き合える社員を育てることが、これからの人材育成に求められています。
TEIの「新人研修」や新人を受け入る「OJTリーダー研修」では、ビジネスゲームやロールプレイング、コミュニケーション実習やグループ討議を多用して、現場に出てからのシュミュレーションや失敗体験等を体感できるプログラムを提供しております。是非とも、 最近の新入社員傾向に当てはまらない為の取り組みとして、ご一考頂ければ幸いです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。興味をお持ち頂けましたら、お気軽にお問い合わせください。
講師紹介
鈴木 輝子(すずき てるこ)
株式会社オーラム代表
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